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ラルジャン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ラルジャン
製作国仏,スイス
上映時間85分
劇場公開日 1986-11-29
ジャンルドラマ,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
「たまげた」とは、漢字で書くと“魂消た”となる。タマシイが消えるほどの驚愕ということの本当の意味を、ぼくはこの映画で知りました…。少年の作った稚拙な「偽札」が、人の手から手へと“流通(!)”していくことの不条理。その1枚のために、投獄され、妻子を失い、遂には善良な一家を惨殺する男の顛末は、運命というより、あたかもそれが「必然」であるかのように、寸分のブレもなく進んでいく。…フランケンシュタインの怪物は「感情」を持っていたがために悲劇を招いたけれど、この映画の男は、徹底的に感情を喪失した「怪物(モンスター)」として映画の最後に君臨する。ゆえに、もはやこれはどんな悲劇でも不条理劇でもない、究極の「ホラー映画」に他ならない…。繰り返すけれど、ぼくにとってこれほど恐ろしい映画はなかったし、これからもないだろう。単なる“好き・嫌い”を超越した次元でこの作品は、《映画の極北》として、絶対零度的な寒々しい輝きを放ち続けている。…ヘタに近づくと、あなたのタマシイも凍りついちゃいますよ。
やましんの巻さん 10点(2004-03-03 13:47:26)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 25件
作品の平均点 7.32点
作品の点数分布
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6312.00%
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8624.00%
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作品の標準偏差 2.09
このレビューの偏差値 56.12
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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