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公開当初、「30年に1度の問題作」と評された作品だが、十分に頷ける作品である。何がと言って、黒服の男達が同じ主旨で集まり、同じ文句を合唱するシーンは、やっぱ、イッちゃってる感じが拭えない。現代のエリートがマジでイッちゃったら、こうなるなぁという一作。この際、タイラー=ジャックが組織したのがファシズム系で、作ったのがニトロなのは、ご愛嬌。これが宗教絡みの組織で、作ったのが神経ガス系統だったら、笑い話にならない。それにしても、今回、ジメジメとグズグズと悩む役は主演のエドワード・ノートンに任せておいて、ブラッド・ピットは最強・最高のNo.2の役の演技を存分に楽しんでいた。本作では、最終的にノートンに全部追っ被せられるせいか、それだけ役者として成長した為なのか、「ゼブン」の時以上に、狂言回しの役回りの演技を、ピット本人が存分に楽しんでいたように思えて、ファンとしては冥利に尽きる。ブラッド・ピットという役者は、舞台を浚う華があるだけに、作り手としてはある意味、非常に使い辛い役者だと思うが、デビット・フィンチャーは、ピットの魅力を最大限に引き出した監督の一人である。原作も邦訳本で読んだが、原作通りに進んだら、それこそ「サイコ」になってしまう。が、少女漫画世代としては、素直に萩尾望都の「アロイス」を連想した作品である。本作でしみじみ思ったのは、男の子って、やっぱ格闘技が好きなんだなぁ、ってことだ。
【由布】さん 9点(2002-12-03 02:32:51)
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