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3本で一作だから、ここでやっと総評が書ける。そうね。全体として、なんか、まるで、エッダとアーサー王とシェイクスピアをチャンポンで見せられたような気がするけど、原作がそういうものだから当然かな。総評は、つまらなかったな。脚本はね、凄いと思う。あんなに長大で冗長な原作を、あそこまでツボを押さえた作品に纏めたんだから、凄いですよ。ただ、ツボを押さえ過ぎてて、そつがなさ過ぎて、つまりストーリーの先が読め過ぎるのよ。次はこうなるなと思うと、ガッカリするくらいそうなっちゃうのよ。原作ありきの活劇物の悲しさで、全体像が分かるのは仕方がないとしても、役者の演技まで、かくあるべき者が、かくあるべきようにしか演じてないだけに、意外性もないし、息を呑むようなものもない。映像も、別に特撮おたくでもないせいか、特に凄いと思うところもなかったし、むしろ、これまで使われてきたものを馬鹿げて壮大にしただけな印象だったな。ガッカリで言えば、O・ブルームのレゴラスは、エルフというより、冒険に憧れるどこぞの貴族のボンボンで、どこがエルフなの?って感じだったし、極めつけは、帰還した王アラゴルンの貧相さ加減。放浪の騎士だった時は、あのうらぶれた感じが「いいじゃない」と思ったのよ。なのに、帰還した王が戴冠したシーンは、もうちょっとこう、何とかならなかったんだろうか。そら、本作の主役はあくまでホビットだということ差し引いても、存在感なさ過ぎ。だから、王との契約とかいうシーンでも説得力がないのよ。ともかく、全体として、一見緻密に見えるけど、実は大雑把な作りで、要するにゲーム仕様のファジーな感覚なんだな。でも、そこが、言葉より手紙より、メール文字に愛着を覚える今風に合ったんだろうね。ただ、オスカーを総なめにするような作品かなぁ?
【由布】さん 5点(2004-04-26 22:48:49)(良:1票)
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