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当たり前の事だが、地球上の全ての生き物は食って食われる、という食物連鎖の宿命から逃れられない。「食べる」すなわち「生きる」とは他の生き物の命を貰っている、という事なのだけれど、スーパーに行けば既に加工済みの「食料」が溢れていて、自らの命の糧となるモノの命を絶つ、という行為をしないで済んでいる現代でその事を自覚するのは難しい。この映画ではそういった、我々が忘れてしまいがちな事実を突きつけてくる。登場する生き物たちは食う方も食われる方も必死で、一般に「美しい」とされるサンゴですら、自らの存亡を賭け、必死の戦いを日夜繰り広げている。時に目を覆いたくなるようなシーンもあるが、食う方、食われる方、どちらが良い、悪いということではない。それが「生きる」ということなのだ。毎日大量の「食べ残し」を「ゴミ」として排出する飽食社会に暮らす人間が、子クジラの下あごと舌だけを食らうシャチを「残酷だ」などと果たして言えるのか?この作品は決して「癒し」の映画などではない。我々に「生きる」事の何たるかを突きつける作品だ。
【ぐるぐる】さん 8点(2004-10-15 18:16:51)(良:1票)
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