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ウリハッキョ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウリハッキョ
製作国
上映時間131分
ジャンルドキュメンタリー
レビュー情報
「朝鮮学校」というと、ひょっとすると「怖い」「得体の知れない」という先入観を持っている人が多いのかもしれない。実際かつては「パッチギ!」でも描かれたような日本人学生とのいざこざもあったらしいし、個人的な体験で言うと、自分が茨城で高校生をやっていた頃(80年代後半~90年代初めの頃です)、先輩から「朝鮮学校の奴らはヤバいから、絶対に関わるなよ」と言われた覚えがある(実際には、在学中に彼らと遭遇することはなかったので、本当に彼らが「ヤバい」人たちだったのか分からないけれど、恐らく先輩が口にした噂はだいぶ尾ひれがついたものだったのではないかと思う
)。■で、この映画。まず驚かされるのが、生徒たちの生き生きとした表情。これは三年もの間、学校に寝泊りして生徒や先生たちとの親交を深め、信頼を築き上げた監督だからこそ撮り得た姿なのだろうけれど、それにしても彼らは何とも良い表情で笑う。さまざまな学校行事にも積極的に一生懸命取り組み、大いに盛り上がる。特に驚いたのは、生徒と教師(ちなみに朝鮮語では「ソンセンニム」という)の関係が非常にフレンドリーなこと(もっと厳格な感じなのだと思っていたので)。■作品の中では朝鮮学校、あるいは在日朝鮮人をめぐる歴史的・社会的背景―戦後、日本の弾圧に抗いつつ学校が設立された経緯、「一条校」ではなく「各種学校」扱いのため、国からの補助が得られないこと、つい最近まで運動部が公式戦に出られなかったこと、「2002年9月17日」以降の社会情勢など―についても言及されるが、基本的には生徒たちの生活や表情を捉えることを主眼としている。そのため、いわゆる「お堅いドキュメンタリー映画」にはなっておらず、誤解を恐れずに言えば「笑いあり、涙あり」の明るい作品に仕上がっている。カメラを持った監督が生徒たちに注ぐ視線はあくまで暖かく、それは監督自身のナレーションの語り口にも現れている。■現在の所、この作品は日本では一般公開されておらず、各地で自主上映会が催されている現状なのだけれど、ぜひ多くの人に観て欲しい。繰り返しになるが、これは硬質なメッセージを声高に叫ぶようなタイプの作品ではない。しかし、観た者に対し様々な「問いかけ」を、穏やかに投げかけてくる、そういう作品だと思う。
ぐるぐるさん [映画館(字幕)] 9点(2007-06-30 19:59:31)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 9.00点
作品の点数分布
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