Menu
 > 作品
 > ク行
 > クロッシング・ガード
 > ぐるぐるさんのレビュー
クロッシング・ガード のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 クロッシング・ガード
製作国
上映時間111分
劇場公開日 1996-11-09
ジャンルドラマ
レビュー情報
ひょっとして、映画というジャンルで「テーマ」は何か、という事を語るのはナンセンスなのかもしれないのだけれど、それを承知であえて書くと、この作品のテーマ、それは「果たして、人と人は分かり合えるのか」という事ではないだろうか?作品の冒頭ではストリップの馬鹿騒ぎの中に佇むフレディ(J・ニコルソン)と、その元妻が参加する遺族の集いとが交互に映される。これは、人と人との間にある、容易には埋められない「溝」を象徴しているように思える。娘を轢き殺した犯人に対する復讐を誓うフレディは遊び仲間にも、また同じ立場である筈の元妻にも理解されない。尚且つ自分に想いを寄せるストリッパーに対しても心を完全に開くことは出来ず、一人自閉的な孤独を抱えている。一方犯人のジョンもまた、友人にその心中を理解されてはいないし、彼の出所後に出来た恋人(ロビン・ライト)は彼に寄り添いながらも、彼を罪悪感から解放することが出来ない(ただ、彼がある意味フレディより救われているのは、彼には彼を無条件で愛し、受け止める存在―両親―がいるということである)。しかし、そんな被害者・加害者の関係にある二人はラスト、「亡くなった娘を悼む」という点で分かり合えたのではないだろうか?両者の関係は一般的ではない、極端なものだが、人と人とが「分かり合う」ためには、単なる思いやり・同情だけでなく時に暴力的であるような「格闘」も必要なのかもしれない。余談だが、戦争前イラクを訪れたショーン・ペンはその理由を問われ「イラクにも自分達と同じような人間がいて、同じように子供がいるという事をこの目で確かめたかった」という意味のことを語っていたと記憶している。ショーン・ペン、有言実行の男である。
ぐるぐるさん 9点(2004-05-06 18:37:16)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 22件
作品の平均点 6.14点
作品の点数分布
000.00%
129.09%
200.00%
300.00%
4313.64%
5313.64%
6313.64%
7522.73%
814.55%
9522.73%
1000.00%
作品の標準偏差 2.32
このレビューの偏差値 55.31
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
クロッシング・ガードのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS