Menu
 > 作品
 > モ行
 > モンスター(2003)
 > ぐるぐるさんのレビュー
モンスター(2003) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 モンスター(2003)
製作国米,独
上映時間109分
劇場公開日 2004-09-25
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,実話もの,伝記もの,同性愛もの
レビュー情報
《ネタバレ》 不幸な境遇の為、娼婦として生きていかざるを得なくなるアイリーン。劇中でも語られていたが、彼女にとって社会は「戦場」であり、男たちは「敵(もしくは“獲物”」でしかなかった。客観的に見れば身分不相応に思える典型的「アメリカン・ドリーム」を抱き、教育を十分に受けられなかったため娼婦以外の生き方が出来ず(彼女が弁護士の秘書の面接に行くシーンは、とてつもなく滑稽で、残酷だ)、やがて連続殺人という「魔道」に堕ちてゆく彼女の人生は痛ましい。しかしもっとも悲痛なのは恋人セルビーとの関係。アイリーンは「自分を必要とする人間」が必要で、それはセルビー以外にありえなかったし、なおかつ彼女には自分の存在以外に失うものは何もなかった。一方のセルビーは、「自分を認め、庇護する存在」を必要としていたが、それはアイリーンでなくても良かった。そして彼女はアイリーンと違い、(同性愛には無理解であるにせよ)両親がいたし、それなりの将来性があった。最終的にはその違いが二人を分かつことになる。この、埋めがたい断絶、それがこの上なく哀しい。劇中でアイリーンが好きだといっていた曲がエンドロールで流れるが、それがまるで彼女に対する鎮魂歌のように思えた。なんだかいかにも80年代的な軽いノリのヒットソングという感じではあるのだけれど、彼女の哀し過ぎる一生には妙に似つかわしい。
ぐるぐるさん 9点(2004-10-24 18:52:19)(良:4票)
その他情報
作品のレビュー数 182件
作品の平均点 6.91点
作品の点数分布
010.55%
110.55%
200.00%
331.65%
4116.04%
5158.24%
63921.43%
74424.18%
83619.78%
92111.54%
10116.04%
作品の標準偏差 1.74
このレビューの偏差値 56.93
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
モンスター(2003)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS