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《ネタバレ》 リチャード・ギアとエドワード・ノートンは、本作が二人のキャリアの中で最高の演技をしていたように思います。特にエドワード・ノートンは本作が初主演作だというから驚き。この作品は、ノートンの演技に全てがかかってると言っても過言ではないぐらい重要な役柄で、そしてその二面性、多重人格者を装っていた男という難しい役を見事に演じ切っていました。この演技があまりに凄すぎるせいか、その後の彼の役柄は悪いキャラばかりになっちゃってるけど、本当は凄く良い人らしいですよ。あ、そんなことはともかくとして、法廷ものとしては本当に見事で素晴らしい脚本だと思います。アーロンの爽やかな笑顔のせいで、観客は彼の無実を信じ、マーティンを応援する。どこかに真犯人がいるのではないかという謎解きからはじまり、実は多重人格で殺人はもう一人の人格ロイが起こしたものだという驚きの展開。そしてラストのどんでん返しと、最後まで目が釘づけでしたね。「アーロンだけだったんじゃなくて、アーロンがいなかったんだよ」ていう最後の台詞がたまらないです。「人間は基本的に善だと思っている」と語り、彼の無実を信じて取り組んだマーティンは、その心故に裏切られてしまう。なんとも不条理で悲しい物語です。ものすごくバッドエンディング。だけど気持ちは決して暗くなりません。見事な演技、素晴らしい脚本、人の奥深さに酔いしれて、大きな充実感を得る事が出来ました。
【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-03-21 23:09:24)
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