Menu
 > 作品
 > ソ行
 > 空の大怪獣ラドン
 > ドラえもんさんのレビュー
空の大怪獣ラドン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 空の大怪獣ラドン
製作国
上映時間82分
ジャンルサスペンス,SF,パニックもの,特撮もの,小説の映画化,モンスター映画
レビュー情報
怪獣と言えば「ゴジラ」がその代名詞のようになっていて、何故か“彼”ばかりが持て囃される風潮にあるが、決して忘れてはいけないのがもうひとつの雄である本作の「ラドン」である。年配の映画ファンなら、この血沸き肉踊る大冒険スペクタクル活劇を興奮してご覧になった方もきっと多いはず。怪獣映画としては記念すべき初のカラー作品で、本多猪四郎&円谷英二の黄金コンビがいよいよ本格的に動き始めたことから、東宝としても相当気合の入った作品だったと言える。冒頭、炭鉱の坑道内が水没事故に遭い、原因を探るため警官と炭鉱夫の三人が互いにロープを体に縛って、胸まで水に浸かりながら暗い坑道内を進むというミステリアスなシーンが秀逸で、不気味な音だけで姿を現さない何物かに次々と襲われていく緊迫感・恐怖感は尋常ではなく、トラウマになってしまうほど。その暗いトーンから一気に開放感溢れる青空の中でのドッグファイト・シーンに変転する構成の巧さ。伊福部昭の音楽が実に効果的で、いやが上にも胸高まらせられる。カメラのファインダーを覗いたまま“信じられない”といった引きつった表情で後退りするアベックの男性。あるいは、ラドンの殻の欠片のカーブから卵の大きさを計算するといった、実にリアルな描写。さらにダメージを受けて海面に墜落した後、再び飛び上がり、その衝撃波で巻き起こる津波と、たたき折られる西海橋といった大スペクタクル。そして特筆すべきは、福岡市街の細やかなミニチュア・セットの見事さや(とりわけ家屋の瓦が粉々にすっ飛んでいくシーン等)、終盤の阿蘇山をめがけて攻撃するミサイル発射のゆったりとした噴射イメージなど、実に印象深くそして見せ場の多い作品だったといえる。この世紀を超えた傑作を是非ご堪能あれ。
ドラえもんさん 10点(2003-04-17 16:19:50)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 48件
作品の平均点 7.15点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
324.17%
412.08%
548.33%
6714.58%
71735.42%
8612.50%
9612.50%
10510.42%
作品の標準偏差 1.70
このレビューの偏差値 59.93
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
空の大怪獣ラドンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS