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原作があった『海の沈黙』『恐るべき子供たち』とは違いメルヴィルのオリジナル脚本ということもあって、後のフィルムノワール群を彷彿させるものになってます。『海の沈黙』では屋内の灯りに照らされる「顔」を美しく撮っていたアンリ・ドカエが今作では夜明け前の薄暗いモンマルトルの街並みを美しく撮りあげる。主役はこの街だ。街の顔役としてのボブのジャン・ギャバン的落ち着いた振る舞いがなかなかに様になっててかっこいいのだが、その貫禄はボブが発しているのではなく彼に対応する街の住人たちと、酒と女とギャンブルがどこか質素に、でも当たり前に存在するモンマルトルそのものがそう見せているだけのようでもある。だからちょっと微笑ましいラストの展開もすんなりと受け入れられる。まさに「賭博師ボブ」であった。この「ゆるさ」こそが古き良き時代のモンマルトルってことなのだろう。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-11-26 12:17:45)(良:1票)
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