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ベロニカ・フォスのあこがれ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ベロニカ・フォスのあこがれ
製作国西独
レビュー情報
戦中戦後のドイツを描き続けたファスビンダーの「戦後ドイツ史三部作」の3つ目になるが、ファスビンダーはこの作品がベルリン映画祭金熊賞を受賞した年に37歳で亡くなる。ベルリンの壁が壊されるのはその7年後。映画のスタイルとドイツ史を合わせ見ると一段と彼の死が惜しまれる。この作品は他のファスビンダー作品同様にメロドラマの体裁をとっているが、過去(戦中)に留まる主人公の女、あるいは過去から逃れられない老夫婦が、戦後の歪んだ今に蝕まれてゆくという、戦争の傷跡を主軸に置いた展開を見せるので独特の暗さと残酷さを持った作品になっている。アメリカ兵らしき人物がチラチラとする病院の屋内シーンの眩いばかりの白はこのモノクロの作品の中でもひときわ異様に輝いているが、その異様さゆえに「偽りの光」を表現しているのだろう。そして西ドイツの歪んだ世界はメロドラマという世界の中にあってもけしてその歪みを修正できずにいる。ファスビンダーが生きていたら、今どんなドイツを見せてくれるのだろう。
R&Aさん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-29 16:10:54)
その他情報
作品のレビュー数 3件
作品の平均点 6.33点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.94
このレビューの偏差値 57.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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