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主人公の歩く姿をカメラは後ろから追っていき、人と出会うとそのまま主人公の目となる。そしてカメラはキエシロフスキー監督の他の作品同様、当時のポーランドの世情を映し出す。3つのエピソードのうち一つ目の列車に間に合ったエピソードと二つ目の列車に間に合わなかったエピソードのその後の180度違う主人公の立場の対比が面白い。国の人間と地下組織の人間。、ちょっとした人生の曲がり角で、対立する二者のどちらにもなりうるという運命の皮肉を描くと同時に時代に翻弄される市民の悲哀を描く。そして対立する二者に属さない、いわゆる時代と国家に翻弄されないと思われる、個人を重要視する人生を描いた3つ目のエピソードの行く末に愕然とする。運命の悪戯を描いた素晴らしい作品です。
【R&A】さん 7点(2005-02-16 12:36:10)
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