タイトル名	女優霊(1996)
製作国	日
上映時間	75分
劇場公開日	1996-03-02
ジャンル	ホラー,オカルト映画

一部のコアな映画ファンに支持される『ラストシーン』が全くダメだったので同じ劇中劇ならぬ映画中映画の『女優霊』もさほど期待せずに見たのだが、意外に楽しめてしまったのはこれがホラー映画だからだろうか。だって見えるはずのないものが見えたとき、それを感動ではなく恐怖へと昇華させるほうがずっと簡単そうだもん。いや、全くの素人意見ですけど・・。で、この映画はその見えるはずのないもの、つまり幽霊の出し惜しみがうまいと思う。心霊写真のようなあやふやさを醸しながら、遠めでしかも一瞬、でもはっきりと確実に見せている。いるだけで何も起こらないのかもと思わせて何かが起こったときには幽霊は映されない。女性スタッフの「誰かが抱きついているのを見た」というセリフでその恐ろしいシーンを想像させてしまうのは幽霊が映されていないからだ。急展開のラストは、それまで恐怖の対象が幽霊が出るかもしれない「撮影所」だったものが一気に幽霊そのものに変わってしまい、当然ながら恐怖の質も大きく変わってしまうのだが、このバカバカしいまでのストレートな決着にこそ後にハリウッド進出を果たした中田監督の特徴が現れているのかもしれない。

作品のレビュー数	82件
作品の平均点	5.51点
作品の点数分布	0 1 1.22％ 1 1 1.22％ 2 4 4.88％ 3 11 13.41％ 4 6 7.32％ 5 15 18.29％ 6 16 19.51％ 7 13 15.85％ 8 11 13.41％ 9 4 4.88％ 10 0 0.00％
作品の標準偏差	2.03
このレビューの偏差値	51.19 ※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値