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当時はかなりデリケートに扱うべきだっただろう題材をコメディにしちゃう神経というかなにかしら物議を起こさせようとする反骨精神というか、いかにも大島渚だなぁという感じ。物語がオープニングに回帰し繰り返される構成は今でこそいくつかの映画に見られるが、それでもこの作品のソレは色あせない斬新さを持っている。戦争逃れの密航者の佐藤慶が「今服を捨てましたね」「拾ってきてください」と妙に丁寧な言い回しで淡々と命令する口調がなぜだかツボにはまってしまった。祖国を捨てても祖国を愛する朝鮮人。名前を捨てても朝鮮人であることに誇りを持つ朝鮮人。一方、朝鮮人に無理やりならされ、流れのままに朝鮮人として右往左往する日本人。街頭インタビューでもしなきゃ判らない同じ顔を持つ両者の極端なまでの思想の違いに何を思うかは自由。でも何か思うはず。
【R&A】さん [DVD(邦画)] 6点(2006-09-06 15:04:29)
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