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章ごとに美しいこの世の風景が映される。そして流れるツボな選曲(ディープパープルまで!)。しかしそれらは手振れ映像で描かれる生々しい現実世界をより生々しく見せるためにあるかのように、作品の空気と合ってない。筋はかなりドラマチックといえるのに、この章ごとの画と音楽がドラマの部分への感情移入を一旦リセットするので生々しさだけが強調される。この手法の発展形が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のミュージカルシーンへと受け継がれる。その『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を最終作とするハート・オブ・ゴールド三部作の先陣でもあるこの作品は他の2作品同様、純粋な心の女が純粋であるがゆえにこの世界で辛い仕打ちに遭う様が描かれる。いかにこの世界が歪んでいるかを、舞台を封建的で閉鎖された土地にすることで実にわかりやすく見せている。わかりやすければわかりやすいほどに増す嫌悪感、そして女が純粋であればあるほどに増す嫌悪感。つまり純粋なものが異端となる現実に嫌悪するようになっている。だからこの3部作自体を嫌悪するのは自然な現象。この挑発、私は認めます。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-12-20 18:08:48)
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