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《ネタバレ》 おそらく何をしてもそれなりの成功を手に入れるだけの才能をじゅうぶんに持っていただろう青年が、親の離婚をきっかけに、その父への純真なる想いのせいで、その才能の使い道を誤ってしまう。彼の詐欺行為には悪意が感じられず、反対にパイロットという肩書きにまんまと騙される人間たちを滑稽に描く。そして巷の詐欺映画に感じるゲーム感覚よりも主人公の孤独が終始漂う。スピルバーグは娯楽作品として無難に仕上げながらも、自分の想いを必ずと言っていいほど作品に乗せてくる。見た目で人を判断することへのマイノリティの怒りであるとか、自らの父への想いとか。そこがこの作品がコメディでありながらも心底楽しめないものになっているような気がする(『ターミナル』でもそう感じた)。でも、そこがスピルバーグらしくて好きだったりもする。逃げずに帰ってくるラストのくだりは、離婚している捜査官に、そして自分を信じてくれる捜査官に、父を見たから。最後まで父と息子のドラマにしているのがスピルバーグらしい。ディカプリオもまた、実に大胆でありながら大人になりきれない主人公をうまく演じていたと思う。
【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-08-05 16:48:32)
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