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彼岸花 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 彼岸花
製作国
上映時間118分
ジャンルドラマ,コメディ,小説の映画化
レビュー情報
いいですねー、京ことば。主人公一家と京都の親戚母娘の会話の両極端なテンポがもたらす絶妙なリズム。両者ともに、より際立っていました。静かなる紳士ぜんとした男が唐突にわいた娘の結婚話しにイライラし、物分かりの良い妻にも意見され、「おい!うるさい!ラジオ消せ!」と怒鳴るシーン。怒鳴られたことによる困惑のなかで、夫の心情を察して微かな笑みを浮かべる妻。ウチだったらギロッてにらまれて1週間は口を聞いてもらえないことまちがいないだろう、、ということで、苦々しくも羨ましい、でもやっぱりいいなぁと思えるシーンでした。小津の他の作品のように、同じ部屋でも色々な方向から撮っているんですが、赤いヤカンに代表される小物たちの存在が混乱を避ける目印となり、またその可愛らしい自己主張が心を和ませます。誰もいない廊下の片隅にある赤い座布団の敷いた籐の椅子が、場面の切り替え時に度々映し出されますが、静かな余韻に浸るいい間(ま)を作り出すとともに、最後の最後に妻がその椅子に座る画の伏線にもなっているのには驚きました。小津の映画はこういう驚きに溢れています。
R&Aさん [DVD(字幕)] 9点(2005-06-23 18:20:29)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 43件
作品の平均点 7.84点
作品の点数分布
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312.33%
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649.30%
71330.23%
81227.91%
9716.28%
10613.95%
作品の標準偏差 1.40
このレビューの偏差値 55.96
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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