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《ネタバレ》 “『地下水道』のほうが引きつけて離さないパワーを感じた”と『灰とダイヤモンド』のレビューで書いたのが約2年前。ということはそれ以上前に見た映画ということになるが、やはり今もって鮮烈に覚えているシーンが『灰とダイヤモンド』以上にある。まずは冒頭の長回しの移動撮影。何も語らずに戦闘の日常化が映され、彼らの壊滅的状況が描かれる。地下水道に入るまでに精一杯の人物描写をする。地下に潜ってからはひたすらに暗い。真っ暗。わずかな光で誰が誰なのかを判断する。見てるこちらは集中せざるを得ない。集中するに足るスリルはじゅうぶんにある。この集中させる展開と前半のしっかりとした人物描写がここで活きてくる。それでもこの暗さは、この閉塞感はやはりこたえる。だからこそ彼らと共に光を求めて、その光の先にあるものに驚愕するのだ。戦争映画であるまえに優れたサスペンス映画である。
【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-14 17:16:10)
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