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「字幕を使わない凄いサイレント映画」であることを知らずに見たのだが「字幕が無い」ということになんの違和感も持たずに見終えたことを覚えている。それほどに画がなにもかもを表現している映画であったわけだが、反面それほど凄い映画だとも思わなかった。要するに字幕なしを凄いと思わせないほどの凄い映画なのであった。脚本が素晴らしいのだろう。そして脚本に沿った演技と演出とカメラワークと照明と編集が素晴らしいのだろう。至って普通の映画だと思う。が何度も言うように言葉を廃してなお「普通」に見せてしまうというのはやっぱり凄いのだ。「普通」の中にあってアパートの住民たちから笑いものにされるシーンの表現主義的な演出はインパクト大。最後の追加シーンは追加であることをこれまた後日知ったのだが知らずに見てもあきらかにとってつけた感ありありでちと困惑してしまったのだが、このあまりの空気の違いというのはムルナウの抗議の印なのかもしれないと思った。
【R&A】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-24 15:31:55)
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