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冒頭の猪狩りの主役はどこまでも青く続く広大な山々。唯一家族がそろったシーンを唯一陽光まぶしい晴天としたこだわりの中で、丘の頂点に立つ人物を別の丘から撮るという贅沢。カメラから何百メートルではきかないかもしれない距離をおいて演技をする俳優たち。人間の小ささと共に舞台の背景である「世界」を最大限に見せてくれる。後半でも野村萬斎が城跡に佇む超ロングショットが無常観を醸している。一方、合戦シーンは全体を捉えずにまるでカメラが合戦のど真ん中にあるかのようにその躍動だけを見せてくる。台詞回しは不自然な舞台劇風。もちろんその時代の自然な会話というものを知らないのであくまで私見ですが、仕切りの無い、あるいは無いように見せた世界で演劇をする。つまりは映画は嘘の世界であり作られた世界であるということを前提に、でも視点は無限にあるのだという監督の映画観の表れのような気がしました。とにかくこの妥協無き画は天晴れである。
【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-03-26 14:16:42)(良:1票)
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