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あるがままを淡々と追う中に、胸がしめつけられるような哀愁と、涙が出る程のせつなさを盛り込めるのは、まさにヨーロッパ映画ならでは。マレーナを眺める少年の視線に徹底しているようでいて、どこか一歩引いた所から眺めおろす第三者の目も感じられる。音楽も美しく、海辺の町の明るい太陽と、戦争の中で殺伐とした人々の心の対比が、痛いほどだった。女性をあまりにも生生しく描いているせいで、反発や嫌悪感を覚える女性も多いとは思う。私は、その醜さを直視する痛さがまた、この映画の良さのひとつに思えた。だがこの映画の成功の一番は、何と言ってもモニカ・ベルッチ。個性的なファニーフェイスが大流行の今、こんなに完全なる美貌を持った女優がいたとは! 彼女の目の動き、指の仕草、衣服が風にはためく様までに、うっとりさせられる。ある女流作家が「女は自分よりあまりにも美しい女に出会った時、崇めて服従するか、徹底的に虐めるかの2パターンの行動しか取らない」と語っていた言葉を思い出した。裸になってリンチされていても、少年たちのオカズになっていても、決して高貴さを失わないあの姿は、女として究極の憧れです。
【ともとも】さん 10点(2003-06-21 12:57:59)(良:1票)
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