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終の信託 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 終の信託
製作国
上映時間144分
劇場公開日 2012-10-27
ジャンルドラマ,ラブストーリー,医学もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 観た後、うまく頭が整理できない重さを持った作品でした。
人生には仕事上でもマニュアルに沿って判断できない事がある。
この映画では、主人公は法によって裁かれてしまうわけだが、この映画では、仕事においても私生活においてもあらゆる局面においてマニュアルを用意しなければならない社会の不毛を感じる。
自分の仕事においても、問題が起こるたびにマニュアルが増えていく経験をしているが、マニュアルができることによって個々のケースで矛盾が生じることも、マニュアルの情報量が増えることによって個々の判断力が弱くなるという面も経験している。これから社会の中核を担っていくのは、かつてマニュアル世代と言われていた人々なので、どんなことでもマニュアルにしようとする怖さはあると思う。
この映画の医療の話でなくとも、男女の仲は法律的には白黒つけられない不可思議さや残酷さをはらんでしまうものです。
法律とはマニュアルの集積であり、厳格化、細分化すればするほど、矛盾をはらんでしまうものであるということをこの映画は教えてくれる。そして法律とは絶対万能の神が決めたものではなくて、人間が決めたものに過ぎないということを教えてくれます。国が違えば全く別の解釈もありうるわけです。
先日、最高裁判所裁判官の信任というものに投票しましたが、あまりにも法を司る者を信任する制度がブラックボックスになっていると実感しました。国民にとって判断材料がなさ過ぎます。
この映画に話を戻すと、この監督の撮り方は、今や巨匠の域に達していると言えるほど隙がなく風格を感じます。テーマがテーマだけに笑いを入れられないのだろうが、一息つけるような演出もあってほしかったです。
次回作はもう少し昔のような気楽な作品も観たいと思います。
どっぐすさん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-09 23:27:04)
その他情報
作品のレビュー数 14件
作品の平均点 6.07点
作品の点数分布
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4321.43%
5214.29%
6214.29%
7535.71%
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900.00%
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作品の標準偏差 1.39
このレビューの偏差値 60.03
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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