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はっきり言ってしまえば、こんな人間いないでしょうね。でも、リアルと呼ばれるそれを追い求めたってつまんないです。映画の可能性が萎縮してしまいます。それをぶっ壊すくらいのつもりでやっている監督は今までも、これからも次々現れます。その中で、カリウスマキ監督が突き詰めていこうとするのは映画の限界だと思います。映画そのものにある力を極限に引き出したいと考えているのでしょう。だから、脚本を始め、演技、演出全てがシンプルなんだと思います。立ち上がる、座る、横を向く、驚く。とにかく全てがシンプルで、無駄をそぎ落とした感情そのものが伝わってきました。死にたいが愛する人に出会い、生きたいへ変わり、殺す者に追われ、逃げる。ただそれだけだけど、その表面にある生を見つめ、死から逃れようとする行為、全てが活き活きしていて、輝いて見えた。耳を塞ぎ、台詞を読まなくてもわかるこの作品。これぞ映画。これぞ芸術。
【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-06-28 19:56:32)
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