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《ネタバレ》 タヴィアーニ兄弟の映画愛が全編に横溢する秀作。本作を御覧になるなら矢張り「イントレランス」という映画が如何に空前絶後の作品であったのか、一度は確認しておかれるべき。そこから更に古代史劇の傑作「カビリア」(1914年・伊 監督:ジョバンニ・パストローネ)にまで遡って、当時のイタリア映画が世界最高の水準にあった、という映画史的な事実にまで思いを馳せつつ観ると感慨もひとしおであろう。自らの故国がアメリカ映画界に及ぼした少なからぬ影響に強い誇りを持ってタヴィアーニ兄弟が本作を演出していることが画面の端々から伝わってくる。しかし、何よりも嬉しくさせるのは「イントレランス」という作品そのものにタヴィアーニ兄弟が寄せる深い憧憬。あの熱気に満ちたハリウッド撮影現場風景の再現(スタッフ&役者移動用のケーブルカーなど細部にわたって)は作品へのリスペクトと愛情無しには不可能だったはず。私見だが、恐らくニコラとアンドレアの二人は触媒というか狂言廻しとして利用されたに過ぎず、監督の狙いは飽くまで「職人と芸術家の等価値性」をグリフィス及び「イントレランス」スタッフに見出すコトだったのではないだろうか。もちろん同様にトスカーナの聖堂修復に人生を傾けたボナンニ家の父親に対しても。そして、そうした彼らの崇高な理念も兄弟愛も何もかもが「戦争」の狂気に翻弄されてしまう人間社会の業への憤りを。随所に印象的に挿入されるノスタルジックなニコラ・ピオヴァーニの音楽も秀逸。9点。
【へちょちょ】さん 9点(2004-12-13 01:23:27)(良:1票)
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