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大掛りな割にパッとしない映画が少なくない中、この「パッとしない」という事そのものを武器にオモシロ映画を撮ってしまうのが、このカウリスマキという人だと思っていたのですが。そしてこの映画も、やはりそうした映画のひとつかと思ったのですが。どうも前半、違和感を感じてしまったのは、ギャグが“出来すぎ””狙い過ぎ”という点。確かに面白いんだけど・・・ちと作為的。やっぱりこういう映画で欲しいのは、「笑わせる」という態度よりも、笑った後でふと「何で今のが面白かったんだろう」という余韻、ではないかと。言わば「作為の外に出ようとする」ための作為、ではないかと。などと言いながらも、映画後半に待ち受ける、宝石強盗云々という、物語の大きなウネリを考えれば、このくらい毒の効いたギャグがあっても良いのかな、などと思い直したり。ま、良くも悪くも「意外にとっつきやすい映画」という印象。ラストもまたキマリ過ぎっちゃあ決まり過ぎですが、後味がいいですね。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 21:12:23)
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