Menu
 > 作品
 > カ行
 > 回路
 > 鱗歌さんのレビュー
回路 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 回路
製作国
上映時間118分
劇場公開日 2001-02-03
ジャンルホラー,ネットもの
レビュー情報
よくわからん映画。です。
ホラーなんだから、「わかっちゃいけない」ってことなんでしょう。定番の殺人鬼が定番の凶器を持って襲ってくるとか何とか、恐怖の正体が明示されたタイプの映画には、「身の毛がよだつ」ようなジワジワとした恐怖は無く、あるのはせいぜい、定番のショック描写と、一過性の緊張感。これ、場合によってはギャグにもなってしまう。
この作品では、何が起きているのかは一応示されるものの、殊更にそれを説明しようとはしません。恐怖の正体が「外部」にあって、それが徐々にコチラ側に滲みだしてくるような。怪しいサイトからネット回線に乗って、黄泉の国で溢れた死者が「この世」を侵略し始める、というか、気が付いたら侵略されてしまっている。
ある意味、インターネットなるものが社会を分断し、個人の孤独を深めていく今の世の中の姿を予言した、と言えなくもないけれど、そう言ってしまうと味気ない。たいした「予言」じゃないですもんね。むしろ、広まりつつあったネットというものに対する当時の不安、不気味さに対し、今やネットなんてのは具体的にイメージできる攻撃手段、詐欺手段になってて、いわば「定番の殺人鬼」に近いものになっちゃってる気も。制御は相変わらずできてませんけれども。
最低限、何が起こりつつあるかは示すけど、具体的には説明せず、「何かがあるらしい」というイメージ、つかみどころのない恐怖で映画を埋め尽くします。
ザラついた画面。
ショック描写も排除し、何なら、ホラー映画からクローズアップをどこまで排除できるかに挑戦しているかのような。
こんなよくわからん映画、個人的にはイイなあ、と思いつつ、世の中的には受け入れられんだろ、とも思っちゃうんですが、結構、受け入れられてるようで、嬉しくもあり、気持ち悪くもあり。
作品を貫いているのは「個人の孤独」、いわばネット社会のキーワードみたいなもんですが、一方で、作中、並行して進んでいた2つの物語が交わる「出逢い」ってのもあって、その行きつく先に何故かいる、定番の役所広司。
何者なんですかねえ、この役所広司というヒトは。
鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-04-27 07:40:51)
その他情報
作品のレビュー数 99件
作品の平均点 4.99点
作品の点数分布
066.06%
177.07%
299.09%
31313.13%
488.08%
51414.14%
677.07%
71717.17%
833.03%
977.07%
1088.08%
作品の標準偏差 2.87
このレビューの偏差値 53.65
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
回路のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS