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第9地区 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 第9地区
製作国米,ニュージーランド,南アフリカ,カナダ
上映時間112分
劇場公開日 2010-04-10
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,SF,モンスター映画,バイオレンス
レビュー情報
前半は結構、忍耐力が要求されます。ドキュメンタリを装うこと、ただその一点にリアリズムの表現を頼りきっているのが、この上なく薄っぺらくて、面白くないのなんの。大体、南アを舞台にアパルトヘイトの再現を宇宙人相手にやっているってのが、寓話と呼ぶ気も起らないアホラシさ。しかも『インデペンデンス・デイ』かと思ったら実は『ザ・フライ』でした、ってか。 しかーし。後半、物語の主眼が見えてくるに従い、ガゼン面白くなってきます。主人公は最初、宇宙人をコケにしていたし、我々もまた、醜悪な宇宙人を気味悪く、疎ましく感じている。この「宇宙人に対するヤな感じ」は、映画全編にわたる「バッチさ」の執拗な演出によるもので、これもまた“映像の力”と呼ぶんでもよいでしょう。この「ヤな感じ」は、どこかに嫌悪感を残しつつも、主人公の姿と心の変化とともに、我々の心からも徐々に消えていく。主人公と宇宙人が、信頼と裏切りの間で揺らぎながら共闘する、という、この荒唐無稽さ、ぶっ飛び具合が、ああ久しぶりにSFらしいSF映画に出会ったな、という感じ。いや以前に、これだけ正面切って、主人公の決断、そして成長を描いた、物語らしい物語ってのも、結構、貴重かも知れません。さらには、本作は「無表情の宇宙人の感情を表現する」という、映画演出の腕の見せ所(俳優の演技力に頼らない)に挑戦している点も、見逃せません。と言う訳で、後半、面白かったです、ホント、前半だけ撮り直してもらえないですかね。
鱗歌さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-11-30 00:19:24)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 239件
作品の平均点 7.07点
作品の点数分布
010.42%
110.42%
210.42%
341.67%
4114.60%
5208.37%
63514.64%
76125.52%
85924.69%
93815.90%
1083.35%
作品の標準偏差 1.67
このレビューの偏差値 49.75
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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