Menu
 > 作品
 > ア行
 > 悪魔の陽の下に
 > 鱗歌さんのレビュー
悪魔の陽の下に のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 悪魔の陽の下に
製作国
上映時間97分
劇場公開日 1988-12-10
ジャンルドラマ
レビュー情報
87年のカンヌ映画祭パルム・ドール。いかにもテツガク的な作品でございます、といった感じで、なかなかにとっつきにくいのですが、ひと癖ある奇妙な作品でもあります。ジェラール・ドパルデュー演じる主人公の神父、深刻な自己懐疑に捉われており、今日も今日とて自らを鞭打つ苦行に励む。一方、男たちをたらし込むハスッパな少女、自分を捨てようとした男を射殺してしまう。そのふたりが出会った時、彼らに何が起こったか、彼らに救いはあるのか…とはいかないのが本作。救いなどなく、神父はさらなる自己懐疑に陥るしかない。彼は、ときには彼を誘惑する悪魔を退け(誘惑と言っても、自称「悪魔」はただのオッサンの姿なので、私でもこれは願い下げだけど)、またときには死者を蘇らせる奇跡すら起こす。でも自身が自己懐疑にとらわれている限り、彼に救いは無い訳で。死に至る病とは絶望のことである、とかつてキルケゴールが言ったけど、自己懐疑・自己否定・自信の無さといった「絶望」こそ、人間の心に巣食う“悪魔”であり、しかもそれは人間が本質的に抱えている“救われなさ”でもある。いやですね。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-03-13 22:46:46)
その他情報
作品のレビュー数 3件
作品の平均点 4.67点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
3133.33%
4133.33%
500.00%
600.00%
7133.33%
800.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 1.70
このレビューの偏差値 58.08
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
悪魔の陽の下にのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS