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経済番組、ってったっていかにも軽薄そうなテレビショーの司会をジョージ・クルーニーがやってて、その本番中、「お前のせいで大損した」という男が闖入し、番組を乗っ取ってしまう。ショーで踊ってたお姉さんが出てくるのと入れ違いにスタジオに侵入する描写など、同時進行性を手際よく描いていて、物語はテンポよく番組ジャックへと進みます。
経済を操ろうとするクルーニーが、逆に経済に手玉に取られてしまったり、犯人を懐柔しようとすればするほど格差問題が浮き彫りになったり、多分に社会批判の要素を含んではいるのですが、「批判のための批判」にはならずに、しっかり娯楽映画として楽しませてくれます。最初は、犯人のキャラがちょっと弱いか?とも思ったけれど、見ているうち納得。これも物語に必要な要素のひとつ。人間が動かしているはずの「経済」は、もはや誰にも制御できない、一種のモンスター。このモンスターを前にしては、犯人も主人公も無力で、物語はどう転がっていくかわからない。その展開の中で、人間関係の変化していく様が、本作の見どころになってます。 事件の経過の生中継、ということで、「視聴率」という観点を映画に加えるならば、さらに新たなモンスターが物語に追加されることになった訳ですが、作品のテーマとしてそこまで手を広げなかったのは、少し物足りなさも無い訳ではないけれど、スマートな纏め方、と言えるかも知れません。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-06 11:19:37)
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