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ヘンな邦題だと思ってたら、映画の冒頭、ホントにこのタイトルが日本語で出てきちゃうので、まあ製作者自身がコレでいい、ってんなら、しょうがないですね。
逆説的ですが、これといって生きていく望みも無いような主人公像から、かえって、生の充足への渇望を感じてしまう不思議。ひょんなことから「超人」になってしまった主人公。とは言え、決してそれはスマートでカッコいいものではなく、たまたま川底に沈むアヤシゲな物質に触れてしまい、ほとんど生死を彷徨った挙句に、奇妙なパワーを手に入れてしまう。手に入れたからといってそのパワーをどうするでもなし、万能感とは程遠い状態。人間離れした怪力や、怪我に対する驚異的な治癒能力を手に入れはしたけれど、じゃあ切断された足指も元に戻るんじゃないかという期待はアッサリ裏切られてしまうあたりの、この能力の中途半端さが、かえって無力感を感じさせます。 スーパーパワーをもっていながら、社会の表舞台に立つことなく、知的障がいがあるらしき女性とひそやかな愛をはぐくむ。いっそ、こんなパワーなんていらないのよね。だけど、そのパワーがあるゆえに、トラブルの方が彼らをそっとしておいてはくれず、抗争へと巻き込まれていくことになる。しかも、主人公がパワーを手に入れたのも大した経緯からではなかったもんだから、敵もまた、易々と同じパワーを手に入れてしまう。これまた何という無力感、しかしもはや主人公は、戦いに身を置かざるを得ない。超人同士だからといってアホみたいに派手な戦い(ヘンリー・カヴィルのスーパーマンみたいな)を繰り広げるのではなく、あくまでゴツゴツした無骨な戦いを演じてみせてくれます。 で、まあ結局、別に「鋼鉄ジーグ」でなくてもよかったやんか(切断された指が磁石でくっつく訳でもなし)、という声もあろうかと思いますが、一方で「リアルな」動画サイト向けの動画が使い捨てのように溢れかえっており、一方では古い(動画として質が高いとは言えぬ)日本のアニメに目を輝かせるヒロインの姿がある、というのを見ると、本当に心を打つ映像って何なのよ、と問われているような気もしてまいります。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-01-21 22:43:55)
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