| 作品情報
レビュー情報
「もはや誰も期待していない第8作」などというツッコミの声すらもはや期待できない、道端にひっそりと生える雑草のごとき山猫シリーズ第8作。そんな頃になって、トム・ベレンジャーと日本のAKBとの夢の(謎の)競演、ってのが実現しちゃうんだから、世の中、何が起きるかわからんもんです。
それって凄いことなのか、と言われると、たぶん凄いことでは無い、とは思うんですが、秋元才加が殺し屋をなかなかにスマートに演じてくれているので(英語も流暢だし)、悪い気はしないもんです。ベケット親子にも引けを取らない凄腕のスナイパーで、タイトル前の冒頭シーンでまず、その腕前を見せつける。このシーンが、おそらく全編で唯一カッコいいシーンでして、本編に入ると概ね安っぽいシーンの連続なのですが(とりあえず画面を暗めにして雰囲気を出そうとしたり、手持ちカメラで緊迫感を出そうとしたりするのだけど、それだけで印象的なシーンが生まれる訳でもなく)、この暗殺する者とされる者を同時に描いて見せる冒頭シーンだけは、意表をついた演出で、良かったんじゃないでしょうか。 で、暗殺事件の犯人に仕立てられ、逮捕されてしまうベケット息子。だったら、そのままほっときゃいいんじゃないの、と思うのですが、悪の組織はさらに襲撃をかけてくる。そこにさらに絡んでくるAKBが、イマイチ何をやりたいのかよくわからぬ、しかし、そういう謎めいた感じ、曖昧さというものも、決して悪くはありません。まあ、何をやりたいかというとおそらく、このシリーズのレギュラーの座を狙っているのでしょう。スナイパーとしての腕前だけではなく、接近戦での格闘も滅法強い(という設定)。現代に生きる「くノ一」、といったところでしょうか。エロくない「くノ一」。目の周りに妙な色を塗りたくって、なんだかMr.インクレディブルの奥さんみたいな。いや、手足がゴムのように伸び縮みする訳ではないですけれど、同じくらい敏捷なのではないかと。 一方、ベケット父はというと、これはもう、完全に隠居状態ですね。もうさすがにトム・ベレンジャー、これを最後にシリーズを引退するのでしょう、きっと。自信は無いけど。とにかく、スナイパーとして最後にひと花、というクライマックス。はたして有終の美を彼は飾れるのか、乞うご期待。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2025-07-06 09:43:59)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |