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長屋紳士録 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 長屋紳士録
製作国
上映時間72分
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 迷子になったのか、それとも親に捨てられたのか、という少年。とある長屋に連れてこられ、よりによって、長屋でも一番コワそうなオバチャンが世話をする羽目になる。まさに、鬼ババアってヤツです。バカだの、汚い子だのと、まあボロクソ。そのやり取りが、何とも可笑しいんですが、見てるうちに何だかホロリと来ます。いやこれがホントに。
最終的に描かれるのは、やはり、別れ。一刻も早く出て行って欲しい時には別れられないのに、別れたく無くなったときには、別れざるを得ない。結局、家出後の再会も、動物園も、写真館も、すべては別れへの前奏曲だった、ということでしょうか。
少年の父親が突然現れ、形式的な挨拶をし、別れ自体は機械的に進められていく。ここでこれが、娘を嫁に出す笠智衆だったら、絶対に涙を見せず寂しい笑みを見せるところですが、そこは鬼ババアですから、鬼の目にも涙、ってヤツです。
戦後の混乱期、ならではのオハナシでもありました。
ところで、こうやって見ると、小津作品でもフォーカス送りって用いられてるんですね。茅ヶ崎から帰ってきた場面で、奥の人物からゆっくりと手前の人物へとピントが移動したり。手前の鉄瓶から奥の人物へとピントが移動したり。
鱗歌さん [インターネット(邦画)] 9点(2022-05-23 22:44:43)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 8.27点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.06
このレビューの偏差値 56.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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