Menu
 > 作品
 > ツ行
 > 追想(1956)
 > 鱗歌さんのレビュー
追想(1956) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 追想(1956)
製作国
上映時間105分
劇場公開日 1957-04-02
ジャンルドラマ,サスペンス,ラブストーリー,ミステリー,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 アナスタシア生存伝説に基づくオハナシ。アナスタシアとしてデッチ上げられる女性をイングリッド・バーグマンが演じ、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。彼女はデッチ上げられたニセモノに過ぎないのか、それとも嘘から出た誠、本物のアナスタシアが発見されたのか。そして彼女を利用しただけの筈なのに心が揺れ動くユル・ブリンナー。ロマンスあり、サスペンスありで、楽しめる作品なのです。クライマックスとも言うべき、皇太后との謁見の場面。皇太后は彼女がアナスタシアであることを信じず、「演技」だと罵るのですが……そりゃそうでしょう、何しろ、「映画」ですから、もちろん演技です。もちろん彼女はアナスタシアでは無く、イングリッド・バーグマンですから。はい、これは、とんでもなく時代を先取りしたかも知れない、とってもメタなシーンですよ。「あなた、それ、演技でしょ」なんて、一種の禁句。かつて元横綱・双羽黒の北尾光司がプロレスのリングで相手に「この八百長野郎!」と叫んで追放された、アレと同じくらいの禁句です。それに対し、バーグマンは「これは演技ではない」という演技をしなければならない訳ですが……実は我々の方こそが、「演技」というものをどう捉えるか、を問われているのやも知れないのです。ラストの顛末が、主演2人の「演技」によってではなく、彼らがそっと退場することによって示されるのもまた、シャレていると同時に、賢明で無難な選択と言えるのかも。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-23 23:37:46)
その他情報
作品のレビュー数 23件
作品の平均点 7.04点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
414.35%
514.35%
6521.74%
7626.09%
8939.13%
914.35%
1000.00%
作品の標準偏差 1.16
このレビューの偏差値 57.11
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
追想(1956)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS