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シテール島への船出 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シテール島への船出
製作国ギリシア,伊,英,西独
上映時間140分
劇場公開日 1986-02-08
ジャンルドラマ
レビュー情報
映画の中心に置かれている物語は、まー言ってみりゃ「頑固ジイサンが帰って来て、ひと騒動」ってヤツですが。しかしこれが、まるで神話のごとくゆったりとした時間の中で描かれ、しかもその「神話」が「神話」のままでいることができず、現代社会の中で居場所を失っていく。それがもうタマランのです。かつての闘士であり今は亡命者である「父」。歴史そのものでもあり、神話でもある。また現代に生きる主人公にとっても、自らの存在のルーツとして、心の一部に巣食って離れることのない存在。その「父」、亡命先から帰ってきた「父」は、周囲から追い立てられ、この国にも居られず、亡命先にも受け入れられず、居場所を失っていく。ただ「母」だけは、その「父」にかつて捨てられながらも結局は彼を無条件に受け入れていく。美しいシーンのオンパレードなのですが、ラストシーンは涙無しでは観られない、その美しさと切なさは特筆モノ。こりゃ『シテール島への船出』というより、ほとんど“補陀洛渡海”の世界ですな。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-02-22 23:22:35)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 7.09点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.73
このレビューの偏差値 56.38
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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