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アンストッパブル(2010) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アンストッパブル(2010)
製作国
上映時間99分
劇場公開日 2011-01-07
ジャンルアクション,ドラマ,サスペンス,パニックもの,実話もの
レビュー情報
《ネタバレ》 「マイ・ボディガード」146分、「ドミノ」「デジャヴ」127分、「サブウェイ123」106分、そして遂にトニー・スコットの映画は100分台をきった。「アンストッパブル」近年最速の上映時間99分。
ありとあらゆるアングルからカメラを構え、空撮、ハンディやクイックズームを活用し、動いていることそが映画であると、総てにおいてを「動き」として収め、そしてその総てをアクションで繋ぎ、一切の「間」を観客に与えない。子供は平和の象徴でありながらも同時に危機に直面する不安定さであり、野次馬は出来事の重大さと日常生活の中にある危機を表し、テレビと路線図は簡潔な説明の他の何物でもない。スクリーンに映し出されるものは総てが必要な情報だと処理し、途轍もないスピードで駆け抜ける。

暴走する列車を止める、たったそれだけの話だ。

徹底してそれだけだ。だから巻頭間もなく列車は直ぐに走り始め、エンドロール直前まで列車は止まらない。更にデンゼル・ワシントンとクリス・パインですら列車を止めるひとつの装置として処理される。彼らは「列車を止めることが出来る唯一の男たち」という装置だ。であるから、とにかく列車は走り出し、後から貼付けられるべたべたの人情劇があるが、はっきり言って本作に関してはそんなものは、トニー・スコット含め我々観客も殆どどうでもいいと思っている。更に言えば、労働環境がどーのとか触れるのだがそれもどーでもよい。これは鑑賞後「何も残らない映画」であって、考えることなどない。ただ最高に面白い映画がある、それだけだ。重要なことは列車が止まるのか、止まらないのかということだけ。この列車の周りで起ること総ては、この列車を止めようとするそれぞれの装置。ふたつの過失から始まるこの映画は誰をも悪として描かない。列車に追いつけない、いかにもドジでのろまな風体を醸し出したあの男ですら、悪としては描かれない。会社の上層部は自分達の立場としての態度であり、それは悪ではない。悪と対峙しない、刃物や銃器も登場しない、しかしあそこまでの激しさを演出するトニー・スコット。もはや他の追随などに関心など示さず、全く別の次元で映画を作っているとしか言いようがない。
すぺるまさん [映画館(字幕)] 8点(2011-01-08 17:04:50)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 131件
作品の平均点 6.82点
作品の点数分布
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200.00%
300.00%
453.82%
51813.74%
62519.08%
74232.06%
83224.43%
964.58%
1032.29%
作品の標準偏差 1.30
このレビューの偏差値 56.97
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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