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《ネタバレ》 一言で言えば無難だ。
回想と妄想が物語を多層化させることでより良くなるというよりは、 実際の出来事の短さを物語として成立させる為の無難な肉付というところもあり、 簡潔さの申し子とも言えるであろうイーストウッドらしくないとも感じる。 その一方でランタイムが100分をきっているという事実もある。 別にシナリオが悪いわけではない。無難だが寧ろ面白い。 墜ちないでくれと思わせる現実と墜ちてしまえと思わせるシュミレーションを、 時間差で観客に叩きつけてくるわけだ。何たる語りの構造。 ただしかしイーストウッドが撮る為のシナリオに感じない。 乳飲児を預る隣席の男の慎ましさ、親父と息子の電話での会話に迸る熱量、 この映画を締めくくる副操縦士の一言など、細部にこそ映画の良さは宿るが、 エンドクレジットを見ればわかる通り事実の延長線上でしかないと感じざるを得ない。 無論、イーストウッドにそんなものは求めてない。 角張った石も転がり続ければ丸くなってしまうということだろうか。 あと最近、ステディショットが多過ぎるのではないかと危惧している。 これは撮影上の効率化なのか、芝居を撮ることを優先する為なのか。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 7点(2016-09-26 22:39:19)(良:1票)
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