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天才音楽家である主人公をJ・ラッシュがとっても好演しているし、脚本も素晴らしい名作。父親は息子を愛しているが、いつまでも自分の内へ囲い込もうとするエゴがある。強圧的で一方的な愛は息子を苦しめ狂わせ、愛さえも失ってしまう。息子はむろん痛々しいが、こんな愛情しか表現できなかった父もまたさみしい。ピアニストは精神を病んでから、好意を示してくれた女性の胸をやたら触りたがる。愛情に飢えていたのだと分かり、これもまた痛々しい。しかしレストランでピアノを弾いて皆に認められることで立ち直ってゆく。オーストラリア人って実におおらかで素晴らしい。日本じゃとてもこうはいかない。さらに彼を愛し、受け入れてくれる女性に支えられリサイタルを開くまでになる。ラストのこのシーンで万来の拍手を浴び、感極まって涙を流す主人公と同様、私も感動の涙、涙だった。どんな時でも人は認められ、受け入れられることで生きていけるのだと痛感した。
【キリコ】さん 9点(2003-05-13 12:43:19)(良:1票)
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