| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 かなりオリジナルに忠実に作られて、シーンや物語の展開は基本そのまんまと言っていいです・・って50年前のフランス映画を今、この日本でリメイクするに当たって『そのまんま』リメイクでいいのでしょうか?このリメイクは『今』の映画として全く感じなくてオリジナルの表面的な所をなぞってる演出なので、当然ながら『今』と噛み合う訳もなく、どこか古臭く陳腐な所が際立ってテレビの『火曜サスペンス劇場』か一昔前の『昼ドラ』をスクリーンでそのまんま流してるのかと思い、『映画』になっていないのでオリジナルよりも退化してる事態になってます。まぁ一応、諸々の設定とか展開、描写は今風に加味はされてはいますけど、何か取って付けたような感じで本編の冗長な間延びに貢献してるだけです。吉瀬美智子、演じる女は衣装も雰囲気もセリフ回しも何か浮きまくってます。オリジナルのジャンヌ・モローの演技をまんまトレースしてるだけだもんなぁ・・。そして最大の改変は主人公の車を盗み、後に殺人事件を起こす若者役の玉山鉄二と北川景子・・男が今回はチンピラではなく警察官になっていますが、彼がチンピラに拳銃を盗られ、平泉成演ずるヤクザの親分の手に渡ってしまい、拳銃を取り戻すために彼が追跡していると思ったら実はその親分の情婦が警官の元カノ・・しかも警官が未練アリなので、情婦との男女のゴタゴタ話にすり変り、展開もおかしな事に・・どうしても余計なシーンを付け加えてる印象です。北川景子の美容師の役はもっと訳がわからず、自分の馴染みのお客である阿部寛の主役の車を盗もうとする男を制止すらせず、男と一緒に何も考えずに乗っているので、ただのバカ女に見えます(オリジナルの若い女は最初は男の行動を何とか止めたり、多少の後ろめたさも示している)・・・色々と思う所が多すぎでした。何でも監督は『オリジナルと比較するような野暮な真似はしないで』と発言されたようですが・・オリジナルとはまた違う2010年の『死刑台のエレベーター』になっているのなら、その理屈も通るかもしれませんが、今回のようにオリジナルにほぼ忠実なコピー・リメイクになってるので、オリジナルを観た者は、どうしても比較してしまいますよ。作り手側がそんな観客の意識の制約を求める『野暮』を言うとは・・一体、何の為の50年後の『リメイク』なのか・・また一つ、リメイクのダメなお手本が出来たようです。
【まりん】さん [映画館(邦画)] 3点(2010-10-14 04:22:03)(良:1票)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |