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僕の村は戦場だった のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 僕の村は戦場だった
製作国ソ連
上映時間94分
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画
レビュー情報
タルコフスキー監督による長編映画第一作。さっそくこの作品でも、物質文明とは対極にある自然界を構成する水、火、木、土などが重要な要素を占めており、これらの格調高い演出はさすがであり感心しきり。ただ、本筋に於いて必要なのかと思われるシーンがところどころ見られる。しかしそんなシーンでさえ後々まで記憶に残り、説得力を持たせるところがタルコフスキー作品の奥深さとも言えよう。この映画では、主人公イワンを演じた少年の存在がすべてであろう。少年イワンが海辺を楽しそうに走るシーンは哀し過ぎるほど美しく、いつまでも脳裡に焼き付く。ドイツ軍に対し憎悪の塊となった少年イワン。夢の合間に現われる幸せだった日々と、過酷な斥候となった現実との対比が戦争の悲劇性を浮き彫りにする。また、表面的には憎きドイツ軍という設定だが、子供というものは国家にしてみると光り輝く希望そのものであると、監督タルコフスキーは敵味方の壁を超え戦争指導者に訴えかけているようにも見受けられる。すると本作は、人間としての良心や罪の意識に問いかける痛烈な戦争批判映画とも言える。様々な解釈が出来る傑作です。
光りやまねこさん 10点(2004-08-19 10:30:31)(良:3票)
その他情報
作品のレビュー数 31件
作品の平均点 7.52点
作品の点数分布
013.23%
100.00%
200.00%
313.23%
413.23%
526.45%
639.68%
7412.90%
8412.90%
91238.71%
1039.68%
作品の標準偏差 2.24
このレビューの偏差値 54.94
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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