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人間の條件 第六部 曠野の彷徨 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 人間の條件 第六部 曠野の彷徨
製作国
上映時間104分
ジャンルドラマ,戦争もの,シリーズもの,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
ついに最終部。この長い長い人間ドラマに幕が下ろされる。監督小林正樹の手による厳しい描写が冴えます。平高主計のセット美術も素晴らしい。しかし何と言っても、主人公・梶を演じる仲代達矢に尽きる。前作より彼の眼中にあるのは、ただただ妻・美千子のもとへ“生きて帰る”だけである。さらにこの作品では、言葉が通じないということはいかに誤解を招き、意図しない方向へ導いていくかをも訴えている。どこの社会にでも湧き出るゲスな人間・桐原を金子信雄が好演。(梶と対極にある人間像) 《ネタバレ! ! 》ラスト、仲代達矢一世一代の演技が、この壮大かつ壮絶な人間ドラマにふさわしいラストシークエンスを飾る。肉親の弟以上の存在であった吉田を連呼する。友達であり唯一の理解者であった丹下の言葉が浮かぶ。妻・美千子の笑顔と笑い声が幻聴となって聞こえてくる。まるで走馬灯のように、過去の出来事と一抹の希望とが梶の頭の中を次々とよぎる。あー、なんて悲しいシーンなんだ。とうてい涙なしでは観られない。監督小林正樹の描写はもちろんのこと、宮島義勇のシビアなカメラワーク、木下忠司の荘厳な音楽が渾然一体となり、この長い長い運命劇に力強くそして緩やかに終止符を打つ。
光りやまねこさん 10点(2004-02-12 13:19:40)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 7.67点
作品の点数分布
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516.67%
616.67%
7533.33%
8426.67%
9320.00%
1016.67%
作品の標準偏差 1.25
このレビューの偏差値 65.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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