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私の周りにはこれ好きって人が全くいない!それに反論します。だから長くなります。この作品は単に自然破壊や環境汚染を非難するエコロジーアニメではない。人間と自然の共生の難しさ、そしてそれは可能か、たとえ不可能としても、そうする努力を惜しまない事こそ、人類に課せられた指名ではないか、というメッセージだと思う。浅い見方をしたならば、エボシやジコ坊は「悪」と取られてしまうのか。だがエボシはいわゆる開発促進派で、周囲の労働者からは絶大な信頼を得ている。そのエボシを利用したジコ坊達だって、強欲ではあるが極めて現実的で最も人間らしい。「不老不死」という人間の永遠のテーマの為に、そこまでする勇気に感心する程だ。それぞれのエゴから勃発した抗争は、今始まった事ではなく、これまでも、これからもずっと続くだろう。どれが悪でどれが善だなんて結論はつけられない。作品の終わり方について「だから?」とか「問題提起だけの終わり方」とか言われるけど、シシ神は、シシ神の森とタタラ場の対立的な環境を全てリセットし、ゼロからのスタートを望んだんだと思う。そして人間たちが今回の騒動を教訓に『人間も自然も』住みやすい新たな環境を、人間の手によって築く事を課題にしたんだと思う。作品で問題を提起されたら、それについてそれぞれが考え、自分なりの答えを出せばいい。だからここまで書いた事も私個人の考え。当たりかはずれかなんて分からない。あともう一つ。かなりハリウッド的なストーリーだと思う。以前BSで「スターウォーズ」に大きな影響を及ぼしたジョーゼフ・キャンベルという神話学者の事を言っていたのでそのまま書きます。→彼は世界各地の神話や民話を検証して「英雄は旅をする」という共通項を見出した。それによると、1.若者は重要な使命を告げられて故郷を追われる。2.若者は旅の途中で永遠の女性と出会い、魔物と戦い、困難をくぐり抜けて最後に故郷に帰る。 まさにこの構想にのっとって作られている(帰ってはいないが)。ここでの英雄アシタカは最初から英雄だった。彼の成長記にしなかったのも「自然環境の再構築」が最終テーマだったからだろうと思う。
【ちゃか】さん 10点(2003-08-09 17:10:46)(良:3票)
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