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《ネタバレ》 「ミイラ取りがミイラになる」というタイトルでもいいくらいの映画。犠牲者が出る→それを助けに行ってまた犠牲者が出る→それを助けに・・・という悪循環を延々と繰り返して犠牲者がどんどん増える。馬鹿じゃないのか、と言いたくなるけれど、仲間を助けるためにどんな危険なところにでも突っ込んでいく姿は心にくるものがある。ただただドンパチやってるようだけど、「仲間に対する思い」この映画のキモはそこなんだろう。
さて、舞台はソマリア。そこに米軍が首を突っ込んでるわけだけど、それについての「良し悪し」や「理由」は作中ほとんど語られない。少なくとも兵士の口から「虐殺を防ぐため」など戦争の大義が語られることや、この戦争をすべきかどうかの是非についてのセリフは一切出てこない。 で、私はこの映画は最後まで「戦争をする理由」は語られないまま終わると思っていた。だって、この映画はそんな映画じゃないから。要はこの映画で描きたかったのは、「戦争の凄惨さ」と「仲間思いの米軍兵」、そこだろう。だから、戦争の理由なんてどうだっていいのだ。 …であるはずなのに、なぜか最後の最後で、なんで戦争に行くのか?ってことが兵士の口から語られる。しかも、その兵士の言う「戦争に行く理由」が全く意味不明。その理由たるや「戦友を助けるため」。なんだそれ?そんな理由ってあるか?だって、最初から戦争に行かなきゃ「助けるべき戦友」がそもそも生まれないじゃないか。そんなものが理由になるか。その後も別の兵士の口から、英雄になるだのならないだの、戦う理由が出てくるけれど、そこには何の意味もなく、言葉遊びにすぎない。だから、「え?じゃあ何のために戦ってるの?」という疑問だけが残る。最後に余計な「戦争の理由」が語られるもんだから、2時間以上に渡って見せつけられた凄惨な殺し合いが、結局何のためだったの?意味あったの?と最後の最後で、まるで我に返ったかのように冷静にその理由を考えてしまう。そしてその答はこの映画にはない。ダメだろそれは…。ラスト10分まるまるカットしたほうがいいよ…。 【椎名みかん】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-06-07 18:48:38)(良:1票)
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