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宗教の話。というのは聞いていたので、前半部分からそう単純な話ではないのだろうとは思ったが、漂流中は災害による極限状態の孤独と不安という神の試練や自然の力・恵みといった神の創造物と向き合う少年の話なんだろうなという理解だった。無神論と言われる日本人も宗教的な儀式は色々とするし、311では神仏に祈った人も多かっただろうと思う。人生は思い通りにはならないし、人間は完璧ではないし、基本的に無力だ。だから神頼みをする。それが最後の最後でわけのわからないネタが飛び出してきて、鑑賞者を翻弄させる。こういうドンデン返しは基本的に好きじゃない。それまでの鑑賞時間がムダに思えるし、バカにされているように思えるから。鑑賞中にこの構造に気がついた人はどれだけいるんだろう?しかも綺麗にひっくり返してくれるならまだしも、いったいなんだったんだよ?という疑問ばかりが残る。少年の記憶も曖昧だろうし、全てが夢幻かもしれないし、納得しない日本人にエグイ創作話をしたのかもしれないし真相はわからない。そこに様々な解釈が生まれるのだろうし、そういうのを読むのもキライではないのだが、それでは作品は最後の最後で問題提起をしたにすぎなくて、作品そのものではなく皆の解釈を楽しむ作品になってしまう。それも鑑賞の楽しみのひとつではあるのだが、自分自身はどうもスッキリしない作品ではある。
【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-01-04 13:48:57)
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