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マスコミは反権力と言いつつ、単なるノゾキ根性を倫理観や正義感といった大義名分により、強大な権力を行使します。(本社への栄転期待から?)自身は不倫をしつつも、警察には倫理を求めて説教し、夫婦愛の事件記事を書く厚顔無恥は見事です。また、警察や検察だけでなく、一般企業にも隠蔽体質はあるので、まあこれは組織においては普通の事でしょう。舞台は地方都市で、そこに左遷された検事の苦悩や、本社へ戻りたい新聞記者、イソ弁を脱却するために売名行為で営業する弁護士、義理弟に介護を押し付ける姉等々、東京志向・野心・保身等々「自分かわいさ」にまみれた言わば普通の人々がこれでもか!ってぐらい登場します。もちろん私も「自分がかわいい」人間なんですが、これだけ見せ付けられると憂鬱になります。折角の映画ですから観客は普通じゃない人を観たいわけです。本作では、妻の介護のためにエリート警察官の道を諦める男と出世より真実を求める刑事ぐらいでしょうか?かと言ってこの2人に特別な清涼感を感じるわけでもなく、救いの無いまま終わってしまった感じです。それにしても、死にたいと思ったり、生きたいと思ったり、殺したいと思ったり、助けたいと思ったり、人間とは厄介なものですね。
【東京50km圏道路地図】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-13 17:21:03)
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