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女優須磨子の恋 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 女優須磨子の恋
製作国
上映時間96分
ジャンルドラマ,ラブストーリー,モノクロ映画,実話もの,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
島村抱月と松井須磨子の激しく儚い熱情を描いたロマンスは、東宝と松竹の競作となり、監督は東宝-衣笠貞之助、松竹-溝口健二、須磨子役には東宝-山田五十鈴、松竹-田中絹代がキャスティングされ、これはどうしても見比べたくなるのであります。脚本と須磨子役は東宝にアドバンテージがあるように見ましたが、印象に残るシーンはやはり溝口作品でありまして、抱月が須磨子の家に上がりこみ、うちわであおいでいた二人がついに燃え上がるとそこで音楽が止み、微かに微かに風鈴の音がその火を静めるかのように鳴るのです。そして場面は転換し屋形船に揺られた二人が恋歌を詠むことでしっかりと懇ろな関係にあることを語り、抱月が島村家を捨てる場面に移るとコオロギの泣き声がここでも微かに聞こえ、深まる秋と深まる須磨子との仲を感じさせてくれるのです。「カルメン」のラストシーンから須磨子の死を予感させる俯瞰のショットが炸裂し、実演の幕が閉じられると彼女の人生も幕が閉じられるのです。しかし東宝版で脚本を担当した久板栄二郎さんを次作「夜の女たち」で起用しているのは、どこか溝口さんらしいですね~。
彦馬さん 8点(2005-01-24 23:28:01)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 4件
作品の平均点 5.25点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.79
このレビューの偏差値 58.63
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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