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兄いもうと(1936) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 兄いもうと(1936)
製作国
上映時間60分
ジャンルドラマ,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
夏、河川工事に精を出す人足衆、叱咤しながら指揮する親分。間違いなく頑固親父の画を描き、そこに英百合子さん演じる妻が、ふかした芋をもってやって来て人足衆を労います。この2人が兄いもうとの父と母で、彼らの人物像を見せた後、兄といもうとの会話へとつなげていきます。丸山定夫さん演じる兄と竹久千恵子さん演じる上の妹の一本気なところは父親似、堀越節子さん演じる下の妹のおっとりした感じは母親似、ってとこでしょうか。実家である家屋が、また生活臭を感じさせて素晴らしいんです。土間でご飯の支度をする母のショットや、開け放たれた障子の向うに広がる土手は、それだけで絵になるんです。秋、冬が過ぎ、春がやってきます。ここは郵便配達人を配し、おちる葉っぱや、雪のショット、虫とり網をもった子供たちのショットで語ってきます。外に出ている妹2人が帰って来る時ののどかなロケーションは、口の悪さを見せるもののそれぞれにやさしさを持つ家族の肖像のようでした。そして後半は、兄とワケありの上の妹がすさまじい口論をします。その時の、竹久千恵子さんの圧倒的な口調に見せる女の強さ、その騒ぎが落ち着いた後にもらす口調に見せる女のやさしさ。兄の妹への思いはそれまでに直接的に語られるシーンがあるのですが、兄が家から去っていく後ろ姿の超ロングショットにもそれがにじみでておりました。また夏がやって来て、人足衆を鼓舞する父親の姿。このラストシーンはこの父の持つやさしさ、いつまでも変わらない家族の絆・・・なかなかの傑作です。
彦馬さん 8点(2004-10-10 21:56:47)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 7.50点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.50
このレビューの偏差値 70.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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