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休憩のある映画というものは初めてでしたが、比較的早く感じました。大変残念ですが今回この作品を鑑賞して映画化不可能といわれていた理由が分かった気がします。
物語は恩地を中心に進みますが、様々な脇役と共に進んでいきます。でもどの人物も「理由」がない気がします。労働争議の時には腰が引けながらも恩地を支えてきたもののいつの間にかブラックに染まった行天さん。お国のために会長職を引き受けながらお国の解釈を間違えていたためにあっという間に解任された国見さん。労組をやりすぎたため大手町支店で超冷飯ぐらいを耐えていたはずがいつの間にか行天の犬に成り下がった八木さん。どの人間にもそうした精神を持ちうるに至った理由がまったくない気がします。特に八木さんが金庫で何かやっているのを見たときは「会社をつぶす工作でもしているのか!?」とまで思ってしまいました。 そして肝心の恩地にしてもどんな報復人事を受けても屈しない屈強な信念を持つにいたった説明がありません。おそらく労組での働きが大きく影響しているとは思いますが、「安全に飛行機を飛ばしたい→労組委員長として活動し労働状況改善を要求」と行動するにいたった動機が見えてこないのです。できれば恩地が国民航空を志望するにいたった「志望動機」を少しでも描くべきだったと思います。 また、時間を追ってみるとケニアから帰ってきた途端に遺族係にされたように見えどうして遺族のためにそんなに働くのかが分からない部分がたくさんありました。そして最後の太陽の話。ケニアでの生活がそんなに詳しく描かれたわけでもなく、「この太陽は・・・」と遺族に語っても、どうしてもついていけませんでした。 やはり山崎氏の作品は長めの連続ドラマでじっくり見たいと思います。そうすると海外ロケなどにあまり大きな資金はかけにくいとは思いますが、ずっと生きた人間が描けると思えてなりません。 【パンツァー・フォー】さん [映画館(邦画)] 4点(2009-12-05 22:40:34)
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