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《ネタバレ》 この映画のビデオを探すのに約2年はかかりました、そしてとうとう見つけました。弥が上にも高まる期待を胸に、もしも面白くなかったらどうしようと杞憂していたのですが、そんな予想を遥かに上回る傑作でした。まず最初の印象は「恐ろしく知的なSF映画」です。表面上はいかにも昔のSF映画という感じで、今時あんなデザインの円盤やロボットは出てこないけど、物語が進んでいくと逆に今の見掛け倒しのSF映画が恥ずかしく思えてきます。物語は冒頭の世界各地の反応を映すシーンから緊張感が張り詰めています。世界中の電力を落とすって、そんなことしたらどう考えても被害莫大だろ!と思っていると病院や飛行機だけはそのままというのが実に巧みです。実際にこんなことは起こり得ないと分かっていても強烈なリアリティがあります。核への警鐘という重いテーマを掲げながらも、いつしか能面のような顔の宇宙人に感情移入し人間を憎むようにさえ仕向けてしまう演出はお見事。また主人公のボディガード的存在のロボット、"ゴート"のキャラクターが秀逸です。『禁断の惑星』のロビーにも負けない魅力を持ち、頭部から発射される怪光線は『宇宙戦争』に出てくる破壊光線を凌ぐ迫力があります。加えて恐怖を煽るテルミンの音楽も素晴らしい!時たまゴートの足の遅さに苛立ちを覚えますが、ほとんど無駄のない完璧な脚本だと思います。
【かんたーた】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-23 11:52:39)(良:2票)
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