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狼たちの午後 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 狼たちの午後
製作国
上映時間125分
劇場公開日 1976-03-13
ジャンルドラマ,犯罪もの,実話もの,同性愛もの
レビュー情報
《ネタバレ》 シドニー・ルメットは「正義」を希求した社会派監督であると共に、社会生活の中で打ちのめされた人々のカッコ悪い生き様や、反社会的な行為に引きずられながらもそのようにしか生きられなかった人々のヒーローでもアンチヒーローでもない有り様を執拗に描く監督です。『狼たちの午後』はその代表作と言えるでしょう。この作品のアル・パチーノは銀行強盗を犯し、マスコミから反社会的な象徴に祭り上げられるアンチヒーローでありながら、はっきり言ってあまりカッコよくない。銀行強盗を題材にした緊迫感溢れる心理劇か、バイオレンスアクションか、あるいは、アル・パチーノにゴッド・ファーザーばりの冷徹な役回りを期待すると完全に肩透かしを食います。邦題の過剰さがそのようなイメージを無駄に喚起させるのも罪作りと言えます。

シドニー・ルメットは、銀行強盗という非日常的光景の中にも人間的なためらいや怖れ、怯え、恥ずかしさなど、社会との関係性によってくるくると変わる犯人たちの達成感や挫折感を描きます。自分が社会の中でどう見られているのか、その視線を常に意識し、錯覚し、観念する。それは、ほとんどコメディのようです。役者としてはまさに「狼たち」とも言えるゴッドファーザーのコンビ、アル・パチーノとジョン・カザールがコミカルな犯人役を大仰に演じるという違和感にこそ、この映画の面白さがあるのだと僕は思います。
onomichiさん [ビデオ(字幕)] 10点(2011-05-31 22:14:38)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 159件
作品の平均点 7.17点
作品の点数分布
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110.63%
210.63%
300.00%
495.66%
51610.06%
62213.84%
74125.79%
83119.50%
92616.35%
10127.55%
作品の標準偏差 1.71
このレビューの偏差値 59.65
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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