Menu
 > 作品
 > セ行
 > 戦争のはらわた
 > onomichiさんのレビュー
戦争のはらわた のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 戦争のはらわた
製作国西独,英
上映時間132分
劇場公開日 1977-03-12
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
男の生き様死に様を描かせたら比類なき映画作家であるペキンパーの第2次世界大戦を舞台とした戦場映画。「プラトーン」のレビューでも書いたが、実際のところ「プラトーン」も戦場映画なら、「ワイルドバンチ」も戦場映画なのだ。戦場映画とは、戦場という状況そのものを描くものではなく、戦場という<不条理な>状況の中で人がどう生き死んでいったかを描くべきものであり、そこに描かれるリアリティとは、狂気のリアリティとでもいうべきものである。そういう意味において、「戦争のはらわた」は、凡百の大戦映画とは一線を画す、まさにペキンパー色に染められた大戦時のワイルドバンチなのである。戦闘の達人たるコバーンに影を落とす自らの生き様への冷徹な透視。そして彼は静かに狂気と正気の狭間へ足を踏み入れる。凡そ近代戦の似合わぬ個性を持ちながら、自ら狂わんばかりに進まざるをえないのは、己の性(さが)なんだと。戦場に真実などありはしない。ただ己の生き様への信があるのみ。頑強たる男を描きながらも、つねに時代遅れの哀しさを漂わせるその節回しにはいつもながら胸を打たれる。
onomichiさん 10点(2003-10-17 00:32:19)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 87件
作品の平均点 7.76点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
311.15%
444.60%
544.60%
61112.64%
71517.24%
81921.84%
91719.54%
101618.39%
作品の標準偏差 1.73
このレビューの偏差値 57.50
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
戦争のはらわたのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS